コンプライアンス と コスト

 

消費者に影響の大きいコンプライアンス違反(*)が立て続けに起こっています。

 

東洋ゴム工業

 防振ゴムの品質チェックで手抜き、または規格に満たないものを出荷した。

・横浜で三井不動産レジデンシャルが販売したマンションで基礎杭が固い地盤

 まで届いていないことがわかった。施行したのは旭化成建材

 

どちらも、単なる担当者の手抜きなのか、上司からの指示だったのか、また経営トップは知っていたのか知らなかったのか。明らかにされないまま問題は終息するのでしょう。

 

製造段階や施工での手抜きをすればコストは下がります。

 

しかし、こんな例があります。

明治維新の時、武士はみんな失業しました。仕方なく商売を始めたのですがほとんど失敗しました。その中で成功した人たちも居ました。

その人たちの信条は

「商売上の約束は命を懸けて守る」 でした。

それが取引先の信頼を得たのです。

 

問題の製造・施工基準は技術者から見れば過剰な基準なのかもしれませんが、「取引先の信頼」 はコストには代えがたいものだと思います。

 

 

(*)コンプライアンス

コンプライアンスを 「法令遵守」 と訳すことが多いのですが、この場合ちょっと違うような気がします。ゴムの品質チェック も 杭の長さ も法令には規定されていませんので。

 

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