バイオマス発電についての危惧

 

今朝の日本経済新聞によると、ゴールドマンサックス系の各社がバイオマス発電に参入するようです。

 計画では10か所以上。発電能力は合計7万kw。

第一弾はジャパン・リニューアル・エナジー。茨城県神栖市に発電能力2万4400kwの発電所を着工します。燃料は木質チップ。

 

東北大震災以来、原子力発電所は多くが止まっています。替わって、再生可能エネルギーを増やそう。再生可能エネルギーの中で大きな能力を秘めているのはバイオマス発電です。だから拡充しよう。その考えは正しいと思います。

しかし心配があります。バイオマス発電用の燃料は足りるか? ということ。

 

参考になる数字を挙げておきます。

 

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2016年7月までに経済産業省に届けられているバイオマス発電設備は

235か所 合計出力 約400万kw(稼働中、計画中を含む)

 

消費するバイオマス燃料は出力1kwにつき年間10t強

したがって必要なバイオマス燃料は年間5000万t

 

発電事業者の計画ではバイオマス燃料として、間伐材など国産木材、輸入チップ、PKS(パームオイルの搾りかす)を使う計画です。

 

その供給余力について参考になる数字は

  国産木材生産量 2000万立法メートル

  木材輸入量 5000万立方メートル

  PKSの排出量は不明ですがパームオイルの生産量は世界で6200万t

  木材チップ輸入量は現在1400万t、ただし供給余力は多そう。

 

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再生可能エネルギー原発の穴を埋める、という方向は正しい。しかし、バイオマス燃料は足りるか? はなはだ心もとない。

 

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