なぜ助成金詐欺は多発するのか

 

時々助成金詐欺のニュースに接します。詐欺に関わるのは大学教授だったり大企業の研究職だったり。

どうして助成金詐欺は多発するのでしょうか。

 

今回も世界的に有名なスーパーコンピューターを開発した会社の社長が詐欺をした、と報道されています。それによるとスーパーコンピューター開発のための研究費を7億7200万円と水増しし、4億9900万円を不正に受け取っていたそうです。

 

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私も一時期、研究開発助成金に関わっていましたので事情は推察できます。

ご本人の名誉のために書きますが、あれは私利私欲、自分の懐に入れたわけではないでしょう.

 

 基本的に研究開発助成金は、研究開発に使う金額の半額とか2/3とかが補助されます。私企業であれば 「研究開発に助成金がもらえればありがたい」 で済みます。

 

ところが大学とかNPO法人など収入が無い団体は困ります。

例えば半額助成の場合、残り半額を自分で工面しなければなりません。収入が無いのに。そこでどうするかというと、研究開発予算を水増ししてその半額をもらい。その範囲内で使います。

 

助成金を出す側・国としても、新たな研究開発ですから予算の妥当性をチェックしづらい、なぜなら前例が無く、比較が難しいという面もあります。

 

この制度の趣旨は理解できます。研究開発に真剣に取り組んでもらうために 「半額は自己負担でやれ」 ということでしょう。しかし、もともと真面目に取り組んでいる団体にとっては困ったものです。

 

上記のニュースのようなことが起きる土壌があります。

 

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