先日まとまったCOP21・パリ協定にこんな一節があります。
「人為的な排出量と(森林などによる)吸収量とのバランスを取って実質的な排出量をゼロにする」
排出量と吸収量を均衡させるには?
森林にはCO2 吸収能力がどの程度あるのか。
単純化するためにCO2 に限って考えます。数字を挙げてみます。
(ご面倒な人は読み飛ばしてください)
・・・・・・・・・・・・・・
世界のCO2排出量 300億t/年
木は大部分 C で出来ています。その C の由来は空気中の CO2 を吸収し体内に取り込んだもの。
C を指標に考えると
木材重量のうち C の占める割合は1/2
CO2 のうち C の占める重量は1/3
従って、木を2t生育させれば CO2 を3t吸収します。
世界のCO2 排出量 300億t/年
森林1ha あたり木は5~10t成長します。
仮に 6t/年・ha 成長するとすると、CO2を9t吸収します。
世界のCO2 排出量を森林33億haで吸収できる計算になります。
世界の森林面積は現在36億ha。
・・・・・・・・・・・・・・・
結論
世界の森林で人間の出す CO2 は吸収できる計算になります。
なーんだ、安心。
しかし安心できない問題点が2つあります。
・十分成熟した森林はCO2を吸収しません。CO2を吸収するのは成長過程の若い(植林された)森林だけです。原生林は計算に入れられません。
・現在森林は減少しています。年間520万haづつ減っています。
さて、どうしたもんでしょう?
解決策があります。
砂漠に木を植えることです。世界には36億haの砂漠があります。
日本のNPOで、海外(主に中国奥地)の砂漠の緑化に取り組んでいる団体が複数あります。日本の林野庁はそれらNPO法人に補助金を出して応援しています。
しかし、効果が有ることは判っているのに砂漠の緑化は小規模にしか進んでいません。
なぜか?
植林では民間企業が儲からないからです。 悲しいことです。
・