杉が悪者になっています

今週のお題「花粉症対策」

 

花粉症対策といえば、一番効果が有るのは杉花粉が飛ばないように

すること。つまり、杉を減らせば良い。

 

戦後、農林水産省は杉の植林を進めました。

それが間違っていた。そんな論調があふれています。

 

でも、そうでしょうか?

当時の事情を振り返ってみます。

 

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戦後、都会のほとんどが焼け野が原になってしまいました。

住宅を再建しなければなりませんが、木材が足りない。

 

「日本の山の木を切りつくして、はげ山になってしまう」

そんな危機感が林業関係者の間で出ていました。

 

大急ぎで日本中に植林をしよう。何を植えるか?

住宅用木材といえば、柱になるようなまっすぐに育つ木、

というのが必須でした。

 

早く、まっすぐに育つ木、と言えば杉です。

じつは、杉は早く育つことが知られていました。

 

そういうわけで、農林水産省は杉の植林を進めました。

 

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あれから60数年。当時植えた杉が成長しました。

ところが、日本は豊かになり、木は外国からいくらでも買えるように

なりました。

 

もう杉は必要ない。

花粉を出すし・・・

 

 

 

さて、本題に戻ります。

 

花粉症対策としては、国や自治体の研究機関が花粉の少ない杉の

開発に成功したそうです。そういう杉を植えれば花粉症対策に

なります。

 

しかし、戦後の危機的状況ではなくなった現在、これからも杉を

植え続ける必要があるでしょうか。

 

私は思います。これからはヒノキです。

そして、治山治水のために広葉樹も混ぜて植えること。

 

日本の住宅に一番適した木はヒノキです。しかし欠点があります。

生長が遅いこと。でも慌てる必要はありません。じっくりと良い木

を育てればいい。そう思います。

 

究極の花粉症対策は杉を減らすことです。

 

ただし、どこかの反原発論者のように 「ただちにゼロ」 は

必要ありません。60年育ち、成木になった杉を伐って利用して

いけばいい、ということでしょう。

 

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